春が来たら、桜の花びら降らせてね


「あのさ、佐伯」

「なんだ?」

園崎さんが困ったように笑って、夏樹君に声をかけた。自然と、2人が向かい合うように立つ。

それから目をそらさずに、私はも届けるつもりで立ち会った。

「あたしのこと、ちゃんと振ってくんない?」

「園崎……わかった」

夏樹君は、意を決したように頷いた。

「園崎、園崎の気持ちは嬉しかった、ありがとな」

「うん……」

「でも、俺には昔も今も変わらずに、守りたい女の子がいる」

夏樹君はゆっくりと、進撃に言葉を伝えていく。

夏樹君の守りたい女の子って……誰の事だろう。
それが私ではないと思うと、胸がチクりと痛んだ。

「だから、園崎の気持ちには答えられない」

「ふっ、うんっ」

それに、園崎さんは笑いながら涙をひとしずく零した。

それは、私の心をも締め付ける。
いまここに、ひとつの恋が終わりを告げたから。