春が来たら、桜の花びら降らせてね


『私たちは、その人の痛みに気づけないくらいに幼かった。だから、人を傷つけてしまった』

人を好きなる気持ち、誰かを取られたくないという嫉妬、居場所が欲しいという寂しさ、理解されない孤独。

そう、あの頃は初めて知る気持ちばかりで、どう受け止めていいのかが、わからなかった。

複雑な気持ちが溢れるあの頃、今みたいにうまく嘘もつけなくて、言葉は研ぎ澄まされた刃のように鋭い。

気づけば後戻りできなくなっていた。
帰り方も、歩き方もわからなくなってしまっていた。

だから後悔ばかりが大きくなって、次第に立ち止まってしまう。

今私たちは、過去に、この場所に心だけ置き去りになってしまっている。

『でも今、こうやってわかり合おうって思える。人が大人になるように、心も変わりたいって思えば、成長できるんだね』

それを、夏樹君が教えてくれた。

君がここからやり直そうと言ってくれたから、私も花園さんと話しているうちに気持ちの整理がついた。

ここにいる3人が一緒に変わらなくては、みんな過去に囚われたままだ。