春が来たら、桜の花びら降らせてね


「まぁ、佐伯が呼んでくれたなら嬉しいけど」

園崎さんは夏樹君に呼ばれたのが嬉しかったのか、笑みを浮かべる。

園崎さんは、夏樹君のことが好きだ。
そんな2人を前にすると、私はどうしていいのかわからなくなる。

私が邪魔者のように思えて、ここにいることが悲しくなる。

だって私も……夏樹君のことが好きだから。

でも、私が夏樹君と一緒にいると園崎さんの言った通り、また過去に縛りつけてしまうかもしれない。

そう思ったら自然と一歩、夏樹君から距離をとってしまう。

「冬菜、もう逃げねーから」

え……?

逃げようとしたのは私の方なのに、夏樹君はそう言って私の手首を掴んだ。

それを見た園崎さんの顔から、笑顔が消える。

「ねぇ佐伯、私を呼んだ理由ってなに?なんで、原田地蔵までここにいるのよ!!」

園崎さんは目じりを吊り上げて私をキッと睨む。
その剣幕に圧倒されて、私は息を詰まらせた。