「俺が呼んだんだ、お前を!」
「なっ、佐伯が……!?」
私を庇うように立った夏樹君に、園崎さんは立ち止まった。
「大丈夫か、冬菜?」
私を案じるように、夏樹君が振り返る。
夏樹君、庇ってくれたんだ……。
あの頃、君は他の人の目ばかりを気にして、私なんて見ていなかった。
そう、ただのイジメの対象としてしか思っていなかった。
でも今は、君の目がまっすぐに私を見つめている。
君の心がちゃんと伝わってきて、その言葉も行動も私を想ってのモノだとわかる。
「っう……ん」
あたしは声を振り絞って頷いた。
優しさが、からっぽの心を満たしていくようだった。


