春が来たら、桜の花びら降らせてね


「俺が呼んだんだ、お前を!」

「なっ、佐伯が……!?」

私を庇うように立った夏樹君に、園崎さんは立ち止まった。

「大丈夫か、冬菜?」

私を案じるように、夏樹君が振り返る。

夏樹君、庇ってくれたんだ……。
あの頃、君は他の人の目ばかりを気にして、私なんて見ていなかった。

そう、ただのイジメの対象としてしか思っていなかった。

でも今は、君の目がまっすぐに私を見つめている。

君の心がちゃんと伝わってきて、その言葉も行動も私を想ってのモノだとわかる。

「っう……ん」

あたしは声を振り絞って頷いた。
優しさが、からっぽの心を満たしていくようだった。