「冬菜ちゃん、もうダメだって思ったら、いつでも教室を飛び出してきていい。俺がさらって逃げてあげるから」
優しく微笑む琉生君に、私は小さく頷いた。
私が追い詰められてしまわないように、逃げ道を作ってくれてるんだ、みんなは。
その優しさに胸が熱くなって、また涙が零れてしまう。
「頑張れ」
そう言って、琉生君が教室を出て行く。
夏樹君と私、そして園崎さんの3人がこの場に残された。
まるで、過去が再現されているようで、ずっしりと胸が重くなる。
「あんた……どういうつもり?しかも、あれだけ佐伯に近づくなって言ったよね!?」
そこに追い打ちをかけるように、ズカズカと園崎さんが私に近づいた。
花園さんは、私がここに花園さんと夏樹君を呼んだんだと勘違いしているみたいだった。
――何かされる!
園崎さんの怒った表情に身の危険を感じた私は、咄嗟に両手を顔の前にかざした。


