春が来たら、桜の花びら降らせてね


『夏樹君には、太陽が似合う』

「え……?」

『明るい世界を生きていく人に、私と同じ闇を歩かせたくない。だから私は、夏樹君と生きる未来なんて見ないんだよ』

見れないのではなく、見ない。

想像でならいくらでも、この先夏樹君と一緒に時を重ね、思い出を重ねていく未来を思い描ける。

だけど、現実はいつも残酷で苦しい。
だから私は、望むことを自分の意志でしないのだ。

『私と夏樹君の歩く道は、いつも、どんな時も一生交わることはないから』

「冬菜……」

私が辿った道を戻っていく夏樹君。

そして私は誰もいない場所へ、ひとりぼっちになるための道を歩いて行くから。