「あのな、俺がここに冬菜を呼んだのは……この場所が俺たちの心を縛ってるからだ」
「…………」
それは……そうだけれど。
わざわざどうして、思い出したくもない過去が詰まったここへ、連れてきたりしたのだろう。
お互いにただ、痛くて苦しいだけなのに。
「ここが、俺たちが別々の道を歩き出した分かれ道だったからだ」
夏樹君がまた、私の心の声を読む。
ここは、確かに私たちの分かれ道だったと思う。
君は私の向かう孤独な道とは反対へ進み、お互いの道は永遠に交じり合わない、そう思っていた。
でも、神様のいたずらなのか、同じ高校になり道が重なってしまった。
私たちの運命が、もう一度動き出した瞬間。
それが良かったのか悪かったのか、今の私にはわからなかった。


