「俺、冬菜ともう一度、歩き出したい」

あの過去から前に進むには、過去の傷に向き合わなきゃならない。

それがどれだけ傷ついて、痛くて、苦しい道でもこの痛みに意味があると信じて、俺にできることをしよう。

「ではでは、ふゆにゃんラブリー大作戦、いっちゃおー!」

唐突に、琴子が両手を上げて飛び跳ねた。

「「お、おう?」」

なんだ、その奇天烈な作戦名はと、琉生と俺の声がシンクロした。

「とにかく、俺たちの作戦を聞きなよ」

「むふふ~っ」

意味深に微笑む誠と琴子に、俺は琉生と顔を見合わせたのだった。