春が来たら、桜の花びら降らせてね


「琉生……でも俺……っ」

「夏樹、俺が身を引いたのは、お前の心に嘘が無いってわかったからだ。前にも言ったよな、大切なのは過去じゃなくて今だって」

「…………」

琉生君言葉の前に、夏樹君は黙っていた。
いや、言える言葉がなかったのだと、気づく。

私も夏樹君と同じで、過去に囚われて今を生きられないだからだ。

「お前が過去に囚われているうちは、悪いが冬菜ちゃんは俺が預かる」

「琉生!」

「夏樹が冬菜ちゃんを傷つけるようなら、俺も本気でかっさらうって言っただろ。今はまだ、預かるって言ってるんだ」

どういう……意味だろう。
だけど夏樹君には意味が伝わったのか、ハッとしたような顔をした。

そして、「お前、それでいいのかよ?」と意味深に尋ねる。