春が来たら、桜の花びら降らせてね


「俺はっ……また冬菜を苦しめて……っ」

「あっ……」

泣きそうな、夏樹君の顔に胸が苦しくなった。
違う、私が夏樹君を苦しめてる。

やっぱり私は、君のそばにいる資格なんて無かったんだ。

「冬菜、これからいくらでも償う、だからそばにいさせてくれ、頼むから一人になるな!」

「うぅっ……」

夏樹君は、太陽の下で生きるのがふさわしい人だ。
なのに、私が夏樹君の歩く道を陰らせる。

それに耐えられるほど、私は強くなれないから。
償わなくていい、君らしく生きてくれれば、もういいと思った。

私は静かに首を横に振り、夏樹君の言葉を拒絶する。

「冬菜!」

「理由は知らないが、冬菜ちゃんが望まないことを強要するのはやめとけ、夏樹」

夏樹君の言葉を遮ったのは、琉生君だった。
心配して、私たちを追いかけてきてくれたのだろう。

琉生君は私を庇うように、夏樹君の前に立った。