春が来たら、桜の花びら降らせてね


「冬菜……?」

おかしいと思ったのは夏樹君も同じだったらしい。話さない私の顔を、心配そうに覗き込む。

どうして、裏庭でなら夏樹君と話せてたのに……。

絶望がじわじわと背後から迫ってくるのを感じた。

「うっ……あっ」

「まさか……話せない、のか……?」

喉を抑えて、酸素を求める金魚のように口をパクパクさせる私を見て、夏樹君の声にも絶望が滲む。

「っ……!」

話せない……。
まさか、夏樹君を信じられなくなってしまったからだろうか。

そんな……心の底から君を信じていないわけじゃない。そう思ってたのに、一度でも君を疑った罰だろうか。

私はもう、君と話すことすら……許されないだなんて。