「うざいから引っ込んでなよ」
「え……やっ」
琴子ちゃんが園崎さんに体を押されて、後ろに傾く。
「琴ちゃん!!」
それを、咄嗟に誠君が抱きとめた。
誠君は怒りを堪えるように、なぜか笑う。
「うわぁー、久々ぶちギレそう」
そして低い声を奮わせて、鋭く園崎さんを見据えた。
「なになに、バカ女の彼氏?うっわ、イケメンなのに君も佐伯も、なんでそんな女庇うのかなぁ。もったいなーい」
「相沢さんと斉藤君だよ。イタイカップルで有名なの」
園崎さんに女の子たちが、わざとこっちに聞こえるように言った。
この教室に充満する嫉妬や蔑みといった空気に吐き気がする。
「性格ブスと付き合う趣味はないから」
誠君は黒い笑みを浮かべて、悪びれることもなくそう言った。
「はぁ!?」
「なに驚いてんの?あ、ブスって知らなかったのか」
内心、はらわた煮えくり返ってるのが誠君の棘のある言葉から感じとれる。
大切な琴子ちゃんを傷つけられたんだもん、当り前だ。


