春が来たら、桜の花びら降らせてね


「良かったじゃん原田地蔵、お友達たくさんできて」

「…………」

園崎さんが私に顔を近づけて、冷ややかな意地悪い笑みを浮かべる。

お友達……。

これを友達と呼ぶのなら、私には必要ないガラクタのような繋がりだと思った。

転入してきたばっかりなのに、園崎さんはすでにクラスに溶け込んでいる。

そう、私を理由に笑いを作り、話題を作り、居場所を作る。

誰かと繋がりたい時、てっとり早いのは鬼ごっこでいう、鬼を作ることだ。

この鬼は、みんなの知っているルールとは逆。
鬼がみんなから追い立てられ、責められ、なじられる。

だから、その鬼役の私は、いつも一人だった。

ここでもか……。
私は結局、どこへ行っても一人なんだ。

そう、諦めにも似た気持ちで俯いた時、隣の空気が動いた気がした。

「いい加減にしろ、そんなにみっともない姿晒して、恥ずかしくねぇーのかよ!」

ガタンッと机を蹴り飛ばして、夏樹君が叫んだ。

その瞬間、教室内のざわめきが、瞬間冷却されたかのように凍りついて静まり返る。