春が来たら、桜の花びら降らせてね


「ごめん……ごめん、冬菜」

ただ、それだけを繰り返して項垂れる夏樹君。

夏樹君が……。
まさか、私にトラウマを与えた張本人だったなんて。

ねぇ、どうしてなの。
どうして私に近づいたり、優しくしたりしたの。

まさか、わかっててからかいたかっただけだった?

蘇る、あの地獄の日々。

『おい、なんか喋れよ原田地蔵』

そう、あの時も隣の席、クラスのムードメーカー的な存在の佐伯君が、私にあだ名をつけて、毎日毎日話さないことを弄った。

『ねぇ~、なんか言いなよ、原田地蔵』

そして、女子の中の中心人物、目立ちがりやの園崎さんも同じく私をからかって笑っていた。

今のふたりに、小学生の時の佐伯君と園崎さんの姿が重なる。