春が来たら、桜の花びら降らせてね


『ラブラブなふたりを見ていると、私まで明るくなれるよ。いつも、優しくしてくれてありがとう』

大切な友達のふたりにも、知ってもらいたくて話したんだ。

原田 冬菜という、一人の人間を理解してほしかったから。

「……だめだ琴子、泣きそう。ふゆにゃん、大好きすぎて今すぐギュってしたい」

何かをモミモミするような怪しい手つきで、琴子ちゃんが私に迫って来る。

それはちょっと……。

顔を引きつらせてのけぞる私に、助け船が現れる。


「琴ちゃん、それはやめようか」

お目付け役、彼氏の誠君だ。

「誠ちゃんもギュってしたいでしょ?」

「うん、ふゆにゃん癒しだし、したいけど……したら最後、夏樹に殺されそうだからやめとくよ」

誠君は「ははは……」と、乾いた笑みを浮かべて、夏樹君を指さした。