春が来たら、桜の花びら降らせてね


「小学生って、言いたいことハッキリ言っちゃうっていうか、結構残酷だもんね」

琴子ちゃんの言うとおりだ。
みんな若かった、だからこそ言葉は鋭く、傷を抉る。

今思えば、もし私がイジメる側にいたとしたら、きっと同じように平然と傷つけていたかもしれない。

変なものは変、気に食わないものは嫌い。
無邪気さは時に、鋭利な刃物のようだなと思う。

『もう、理解されるなんて無理なんだって諦めてた。でも、そんな時に夏樹君が現れてくれた』

「俺……?」

迷子のような、不安そうな顔の夏樹君が私を見た。

小さく笑みを浮かべて頷けば、なぜか泣きそうな顔をする。

『どんなに話さなくても、私を知ろうとしてくれた。それが嬉しくて、いつの間にか自分から話したいと思えるようになったんだ』

「冬菜……」

『だから、夏樹君は特別。公園で人目がある場所でも、夏樹君がそばにいると話せる。これは私からしたら、すごい進歩なんだよ』

――君が、私の世界を変えてくれたんだ。

夏樹君が、さらに顔をくしゃっと歪めて泣きそうな顔をする。

私はその手を取って、口パクで「ありがとう」と伝えた。
どうしても、自分の口で伝えたかったからだ。