『聞いてほしいことがあるんだ』
それを見たみんなが頷いて、私の席の周りに椅子を持ってくる。
授業開始まで時間がある私は、みんなに病気のことを話すことにした。
「話したいことって?」
「琴ちゃん、急かしちゃだめだよ、冬菜ちゃんを待ってあげよう」
琴子ちゃんと誠君の気遣いが嬉しい。
私は笑顔を浮かべて、少しだけ軽くなった気持ちで文字を打つ。
『私、場面緘黙症っていう病気なんだ』
事情を知っている夏樹君は私を見つめて、まるで頑張れとでも言うように静かに頷いてくれた。
琴子ちゃんと誠君は驚いたように画面と私を見比べている。
「聞いたことない病気だな」
クラスで話しているからか、誠君は小さい声でそう言った。
『家では普通に話せるの。だけど学校とか他の場所では、人に話している姿を見られるのがが不安で、全く話せなくなるんだ』
特に学校は、小学校でイジメられていたこともあって、症状も強く出ていたと思う。


