「「ぶふ!」」
私と夏樹君は同時に呻いて、顔を離した。
すると、私と夏樹君の間に、ベリーが無邪気な顔で居座っている。
まるで図ったかのようなタイミングで、ベリーは飛び込んできたのだ。
私のすぐそばで、テンションマックスに尻尾を振ってこちらを楽しそうに見つめるベリーと目が合う。
「べ、ベリー!」
「やべ、俺毛ぇちょっと食ったかも……」
「だ、大丈夫?」
「だ、大丈夫……」
私は横になったまま、夏樹君は私に覆いかぶさったまま、顔を見合わせる。
さっき、ベリーがいなかったら、私たちはあのまま……。
キスしてしまいそうだったことを思い出して、ボンッと顔が赤くなってしまう。
ベリーが来てくれて助かったような、寂しいような、自分でもよくわからない気持ちが胸に広がる。


