「うん……私も、貰ってほしい」

照れくさいけど、素直にそう返事を返した。
だって、恥ずかしさよりも喜びが勝った。

なにより素直にならずに、君と過ごせるせっかくの機会を失うのだけは嫌だったから。

「っ……そっか、サンキューな」

夏樹君は口元を手で覆い、恥ずかしそうに目線をそらす。

新しい夏樹君の表情。
知らない夏樹君を知るたびに、私は君という存在をぜんぶ知りたいとわがままに思ってしまうのは、どうしてなのだろう。

「んじゃ、あとで連絡先聞いていい?」

「うん」

そういえば、こんなに一緒にいたのに、連絡先を知らなかったなと、今更なことを考えて苦笑いする。

これで、離れていても繋がっていられるような気がして、嬉しかった。