◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*◇*
シルヴェスタとロゼが帰ってから少し。
アカネはふと気配を感じて振り返った。
案の定─そこには、“あの子”がいた。
艶やかな栗色の髪をハーフアップにし、桜色の着物をまとい、神々しい空気を持つ、彼女が。
「露李ちゃん。やっぱりいると思ってましたわ。“気配を消している気配”が致しましたもの」
「そうですか」
無表情な彼女はロゼとそう変わらない年のように見えた。
そんなことを思うと露李と呼ばれた少女が気の毒に思える。
「秋篠 茜。貴女は、私の治めるこの世界の秩序を崩しましたね」
「やっぱり待ってらっしゃったのねぇ」
「彼等の運命を変えてはならないはずだったのに。あの男がロゼの血に狂うという運命を」
「そうですわね。私は情に負けたのですわ」
「そんなことをしないで欲しかった」
つ、と少女の頬に雫が伝うのを見て驚く。
「貴女がそんなことをするから、私は貴女を殺さなくてはならない」
露李という少女は静かに泣いていた。
シルヴェスタとロゼが帰ってから少し。
アカネはふと気配を感じて振り返った。
案の定─そこには、“あの子”がいた。
艶やかな栗色の髪をハーフアップにし、桜色の着物をまとい、神々しい空気を持つ、彼女が。
「露李ちゃん。やっぱりいると思ってましたわ。“気配を消している気配”が致しましたもの」
「そうですか」
無表情な彼女はロゼとそう変わらない年のように見えた。
そんなことを思うと露李と呼ばれた少女が気の毒に思える。
「秋篠 茜。貴女は、私の治めるこの世界の秩序を崩しましたね」
「やっぱり待ってらっしゃったのねぇ」
「彼等の運命を変えてはならないはずだったのに。あの男がロゼの血に狂うという運命を」
「そうですわね。私は情に負けたのですわ」
「そんなことをしないで欲しかった」
つ、と少女の頬に雫が伝うのを見て驚く。
「貴女がそんなことをするから、私は貴女を殺さなくてはならない」
露李という少女は静かに泣いていた。


