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「大丈夫か?ロゼ」
怪我もすっかり治った頃。
ロゼはようやくシルヴェスタと例の町を訪れていた。
彼と一緒にいるだけで幸せだったロゼだが、約束は約束だとシルヴェスタが言い張ったのだ。
徒歩では危険で長い道のりだが、馬車を使えばどうということも無かった。
道という道がないと言われていたところを、シルヴェスタが造らせたのだ。
化け物と言われてきた身といえど、一度は繁栄を極めた一族である。
爵位もあれば、財もある。
シルヴェスタが当主になってから使わずにいたそれらを、彼はロゼのためにもう一度利用することに決めた。
おそるおそる馬車を降りる。
先にシルヴェスタが降りて周りを確かめてくれているが、長年追われ嫌われてきた彼女にとって警戒することは身体に染みついている行為だった。
「怪我のことなら大丈夫だけど…少し、怖い」
困ったように笑みを見せる彼女に、シルヴェスタはふわりと優しく笑いかけた。
ロゼの手を取り、ぎゅっと握る。
「心配するな。何があっても俺が守る。それにここは治安が良い場所だから」
その手の温かさに安心し、ロゼは笑顔を浮かべる。
以前とは違う、恐れも悲しみもない笑顔だった。
思わずシルヴェスタも見とれるような、美しい笑みだ。
「うん。ありがとう」
「行こう」
石畳にコツン、と靴が触れる。
「大丈夫か?ロゼ」
怪我もすっかり治った頃。
ロゼはようやくシルヴェスタと例の町を訪れていた。
彼と一緒にいるだけで幸せだったロゼだが、約束は約束だとシルヴェスタが言い張ったのだ。
徒歩では危険で長い道のりだが、馬車を使えばどうということも無かった。
道という道がないと言われていたところを、シルヴェスタが造らせたのだ。
化け物と言われてきた身といえど、一度は繁栄を極めた一族である。
爵位もあれば、財もある。
シルヴェスタが当主になってから使わずにいたそれらを、彼はロゼのためにもう一度利用することに決めた。
おそるおそる馬車を降りる。
先にシルヴェスタが降りて周りを確かめてくれているが、長年追われ嫌われてきた彼女にとって警戒することは身体に染みついている行為だった。
「怪我のことなら大丈夫だけど…少し、怖い」
困ったように笑みを見せる彼女に、シルヴェスタはふわりと優しく笑いかけた。
ロゼの手を取り、ぎゅっと握る。
「心配するな。何があっても俺が守る。それにここは治安が良い場所だから」
その手の温かさに安心し、ロゼは笑顔を浮かべる。
以前とは違う、恐れも悲しみもない笑顔だった。
思わずシルヴェスタも見とれるような、美しい笑みだ。
「うん。ありがとう」
「行こう」
石畳にコツン、と靴が触れる。


