「ふざけんなよ。こんな冗談…怒るぞ?」



ニアミスだったけど、一応手の甲で唇を軽く拭う。



リサに対して失礼なのかってことより、まずは自分の防衛反応が働いた。



一体…なんなんだよ。



「こんなこと、冗談で言うわけない。追いかけてきたの。カズマのことが好きだから」



まさか…。



「ウソだろ?」



「どうしてウソなのよ!イトコを好きになっちゃだめなの!?受け止めるどころか、信じてもくれないんだ!?小さい頃から…ずっとカズマが好きなのに」



あ…。



なんかグサッときた。



俺も同じような経験してるよな…現在進行形で。



完全に拒絶されることもなく、受け入れられることもなく。



好きだっていう気持ちすら理解してもらえない。



そういう辛さ、俺が一番良く知ってるはず。



リサの想いが本当だとすれば…俺はかなりひどい仕打ちをしてることになる。