「宇佐美さん、おはよう」



桃ちゃんがあたしの席へと近づいてくる。



そうだ、紫藤くんと出かけた話あれから聞いてないや。



結局あたしは断ったんだよね、ふたりで楽しくでかけられたかな?



「おはよー。桃ちゃん、紫藤くんとはどっ…」



「わぁっ。宇佐美さん、声が大きい!」



大慌てだけど、そんなに隠す必要あるのかな!?



「あのね、また後で話すから。宇佐美さん、カバンにお守りつけてたっけ?ピンク色って珍しいね」



話を急いで逸らすかのように、桃ちゃんがあたしのバッグを指さす。



「うん。ひとつだけ願いを叶えてくれる神社のものなの」



「えーっ、すごーい!あたしも欲しい。どこで買えるの?」



さっきの子たちと同じような会話だけど、対象物が全く違うよね。



それがあたしたちらしくて、笑っちゃう。



「なにか変なこと言った?」



「ううん。カズマのおばあちゃんちの近くで買ったんだって。今度桃ちゃんの分も頼んでおくね」