やっぱ……これまで通りじゃダメだって、自分が一番わかってる。



だからこそ、やるんだろ?



気持ちをストレートに伝える、悪態をつかない、不機嫌そうにしない。



羞恥心とか、そういうのを気にせずに自分の気持ちと向き合う。



好きだ…。



ゆめのことが、どうしようもなく。



リサや他のやつらにからかわれたっていい…そうだろ?



俺……。



やっぱ、戻るか。




来た道を引き返していると、リサがやってきた。



「ゆめは?」



「忘れ物だって。見た通り、ほんと抜けてるよねあの子」



「おい、そういう言い方するなよ」



カチンときて、思わずリサの腕を掴む。



「痛いっ!カズマがそういうことするなら……あたしにも仕返しさせてよ」



「なんだって?」



最強にいじわるな顔をしているリサを見て、今俺がしていることは意味がないと悟った。



きっと、その怒りの矛先は俺じゃない。



するりと腕を解くと掴んだ場所をさすっている。



「もうっ、やだぁ。赤くなってる……」