「あたし…みんながハッピーになればいいって思ってて、それで…」



「そんな綺麗事ありえない。恋愛では誰かがハッピーになれば、どこかで誰かが傷ついてるの。特にカズマの場合は…。ここはもう、潔く身を引くべきじゃない?」



「身を引くって…そんな、あたしたちただの幼なじみで」



「カズマはそうは思ってない。だから面倒なの。カズマのこと、本気な子はたくさんいるの。あんたがカズマを独り占めする限り、誰もハッピーになれないよ」



ズキっと胸が傷んだ。



あたしの信念は、おまじないでみんなをハッピーにすること。



カズマが側にいる限り、あたし自身がたくさんの人のチャンスを奪ってるんだ…。



「目の前でやってみせて」



「え…」



「カズマと縁を切るおまじないを。今、ここで」