「だめに決まってるだろ」



「そう言われてもな~。あ、ここはゆめちゃんに決めてもらおか」



新羽がゆめに合図するけど、本人が一番戸惑ってる。



そうに決まってる…ゆめは、新羽なんか好きになりっこない。



俺だって一定距離から近づけない。



恋愛に疎くて、恋とか愛とかそういうのとは一番縁がないようなやつだから。



「今、ここで答え出してみよか。カズマと俺、どっちのキスがドキドキした?」



「お前っ…」



ゆめ、まさか新羽に俺らのこと…話したのか?




昨日今日転校してきたばかりのやつに気軽に話せるほどの、事柄だったと。



あのときだって、俺はいっぱいいっぱいで…。



それでもなんとか、ゆめに俺のことを印象づけたくて必死だった。



ズルいやり方だった…。



そこは反省してるけど、こんな簡単に話してしまうなんて。