「俺は好きだも付き合っても言っていないし、そんなこと望んでいない。ただ1回やらしてくれればいいんだよ。それで俺の勝ちなんだから」


そう言って無理矢理重ねられる唇に遅すぎる恐怖が襲う


腕は押さえられ、脚の間に深く脚を入れられ身動きが取れない


両腕をひとつに纏められ背けようとする顔も顎を捕まれ固定される



「いやっ…」


拒否の言葉を口にしてもされるキスが深くなるだけだった


いやだ…怖い…


堪えきれない涙が頬を伝う


顎を解放した手がブラウスを掴んだ時、暗闇の中から2人の男が姿を現した


「貴雄〜無理矢理やるんなら俺らも交ぜろよ」


仄かな灯りに照らされたその顔は見覚えがあった


4日前にしつこくナンパしてきた2人


さっき堀内さんのことを『貴雄』と呼んでいた


まさか…あのナンパすら仕掛けられていたものだったなんて…



「後にしろよ」と男2人に言い放ち私のブラウスの襟元から引っ張りボタンを引きちぎる



弾け飛んだボタンと露になった私の傷跡


「うわ…」

「気持ち悪っ」




放たれた言葉に封印されていた古い記憶が蘇る