ほっぺたを赤くして興奮ぎみに話す彼はいつもより幼く見えて､少し懐かしい気持ちになった。


「もしかしてまひろは雪見るの初めてかな？」

髪についた白い雪をはらう姿も､やっぱりいつもより幼く見えてしまう。

彼は私にグッと近づき手を伸ばす。
顔があたたかい温もりに包まれてトロンと目を細める｡

「外にいて大丈夫??寒いから家に帰ろうか。」

私を雪の降るなか探してくれていたのかな？

散歩はいつもの日課なのに､ちょっと悪いことをした気分。


私を抱きかかえてサクサクと来た道を戻る彼に真っ白な雪が積もっていく。

彼がとても寒そうに思えて体を擦り寄せる。私の温もりで少しでもあたたかくなってもらいたい。