慧と私は進学する大学も違っていたし、自宅の最寄り駅も違っていたので、街中で偶然に会う確率はとても低かった。
それは私にとって哀しくも幸運だった。
奏くんと亜衣は変わらずに付き合っていて。
慧と奏くんは学部は違っていたけれど、同じ大学に進学した。
二人は変わらず親友同士で。
奏くんの彼女で、慧の友人である亜衣は、当然慧の近況を知っていて。
けれど。
私は亜衣に慧の近況を聞くことを避けていた。
慧から直接、ではなく間接的に亜衣から聞きだすことはフェアではないと思ったからだけど。
でも。
一番の理由は。
慧を失った自分の気持ちに自信がなくて。
話を聞いたら、慧を思い出してしまうから。
慧の優しい瞳や通った鼻筋、私の名前を呼ぶ低めの声。
繋いだ手の温もり。
一つを思い出したら数珠つなぎのように色々思い出して。
会いたくてたまらなくなってしまうから。
どれだけ自分が慧を好きだったのか、好きなのかを実感して。
閉じ込めた想いを溢れさせてしまう。
……別れを後悔してしまう。
それが何より恐かった。
それは私にとって哀しくも幸運だった。
奏くんと亜衣は変わらずに付き合っていて。
慧と奏くんは学部は違っていたけれど、同じ大学に進学した。
二人は変わらず親友同士で。
奏くんの彼女で、慧の友人である亜衣は、当然慧の近況を知っていて。
けれど。
私は亜衣に慧の近況を聞くことを避けていた。
慧から直接、ではなく間接的に亜衣から聞きだすことはフェアではないと思ったからだけど。
でも。
一番の理由は。
慧を失った自分の気持ちに自信がなくて。
話を聞いたら、慧を思い出してしまうから。
慧の優しい瞳や通った鼻筋、私の名前を呼ぶ低めの声。
繋いだ手の温もり。
一つを思い出したら数珠つなぎのように色々思い出して。
会いたくてたまらなくなってしまうから。
どれだけ自分が慧を好きだったのか、好きなのかを実感して。
閉じ込めた想いを溢れさせてしまう。
……別れを後悔してしまう。
それが何より恐かった。

