彼と私の優先順位

「ね、もうその話はいいから……」

恐る恐る会話に割って入ると。

亜衣が私を一瞥して、シタリ顔で真理ちゃんに説明し出した。



「それね、慧が高校の時に、結奈にお揃いであげたものなのよ。
ちなみに結奈のはこれ」

テーブルに無造作に置いてあった私の鍵をつまんで亜衣が笑う。

「本当だ!
言われてみれば同じ熊!
え、ちょっと待ってください。
ってことは、慧くんも結奈先輩も別れてからずっと持ち続けていたってことですか?
もう、最初に見せてもらえば良かった!
そっか、それであんなに大事にして、教えてくれなかったんだ!
全く……どれだけ長い時間、お互いを好きなんですか……。
もう、本当に私、バカみたい」



半ば呆れたように力なく言う真理ちゃん。

私はどう反応していいかわからず、黙りこむ。



「……私が入り込む余地なかった筈ですよねぇ。
何か納得しました。
って、ちょっと結奈先輩、黙らないでくださいよ。
そんなつもりで言ってるんじゃないですから、私、慧くんのあんなに重たい気持ちは受けとめれませんから」

「そうよ、結奈。
これから私達がいっぱいからかってあげるから。
っていっても、結奈もこの熊のこと最近まで知らなかったんだよね。
バラしたのは私だけど」

明るい調子で茶化してくれる二人に私は口を開く。



「……二人ともありがとう」

「……ヤッパリ慧くんに結奈先輩は渡したくないですね」

「だよねぇ」



真剣に感謝の気持ちを伝えた筈なのに何故か慧が悪役になっているようで。