彼と私の優先順位

「本当、慧くん。
見た目は抜群だけど、性格悪いですよね?
結奈先輩に対して過保護すぎません?
重すぎて結奈先輩に嫌われたらいいのに」

「そうそう。
優しいのは結奈にだけだからねぇ、アイツ。
結奈、慧と喧嘩したら教えてよ」

「もうっ、二人共!」



……散々な言われようは可哀相だけれど。



「……大方、一緒に暮らさないかとか言われてるんじゃないの?
慧のことだから、絶対結奈を独り占めする策を練ってる筈よね……」



亜衣の鋭い指摘にカッと頬が熱くなる。



「……言われたんですね」

「な、な、何で!」

「そんな表情してよく言うわ。
本当に顔に出るわねぇ、結奈。
じゃあ、今度こそ一緒に堂々とキーホルダーを付けられるじゃない?」

ニヤニヤと意味深な笑顔の亜衣。

「え?
何のことですか?」

興味津々といった様子の真理ちゃん。



「慧が家の鍵に熊のキーホルダー付けてるの」

「……あ、知ってます。
確か……タキシード姿の熊、でしたっけ?」

思い出すように目を細める真理ちゃん。

「あ、知ってた?」

「はい。
大学の頃にパンツのポケットとかに突っ込んでたのを何回か見ました。
可愛い感じで何か慧くんぽくないなあって思って何回か突っ込んで聞いたら……」

「何、何っ?」

身を乗り出す亜衣。




「一切教えてくれませんでした」

「はあ?
意味わかんない、秘密主義」

どれだけ大事にしてるわけ、と盛大に溜息を吐く亜衣。