彼と私の優先順位

「何なんですか、それ。
慧くんってそんなキャラでしたっけ?」

「ええっ、真理ちゃん、幼なじみなのに知らなかったの?」

「知らないですよ。
本当、鬱陶しいですよね。
慧くん、結奈先輩にもう一回フラれちゃえばいいのに」

「いや、あの……」

「無理よ、それ。
慧、結奈にフラれても絶対諦めないわよ。
しつこく食い下がるって。
巻き込まれてまた鬱陶しくなるから。
……どうせ今から迎えに来るんでしょ?」

チラリ、と私に意味深な視線を送りながら、亜衣が話す。

私が出したオレンジジュースをストローでグルグル混ぜながら真理ちゃんも私をジッと見る。




あの遊園地で私と慧が想いを通じ合わせてから数日。

心配してくれていた亜衣に報告をしようと連絡した時。



溝口さんにも報告をしたら、と元来のお節介というか強引さを発揮した亜衣が、あれよあれよと言う間に慧から連絡先を聞き出して、溝口さんに連絡をして。

勿論、慧と奏くんは止めたし、溝口さんはそんな話は聞きたくないだろうと困惑したのだけれど。

これからも顔を合わせる機会はあるんだし、わだかまりなく付き合っていったらいいじゃない、という亜衣の超平和主義的な強引さに押し切られ。

全く面識のなかった、難しい距離感の人同士が顔を合わせることになり。

亜衣と溝口さんが我が家に話を聞きに、遊びに来てくれることになった。

と、言うより亜衣が溝口さんを引っ張ってきた。