彼と私の優先順位

一言では言い表せない私の気持ち。

上手な言葉が浮かばなくてもどかしい。



「もっと慧の気持ちを信じていれば良かった。
もっと慧に気持ちを、考えを、伝えれば良かった。
だけど、自信がなくて、どうしたらいいかどんどんわからなくなって……」



気持ちが急いて早口になってしまう私を見て、慧がフワッと包み込むように微笑んだ。

優しい微笑みはあの頃と変わらない。



冷たさも突き放すような雰囲気もなく。

よく知っている、温かみのある慧の微笑みに。



心が揺さぶられて。

泣き出しそうになった。



そう、いつだって。

慧はその微笑みひとつで私を翻弄する。

「……すぐ泣く」

苦笑を浮かべながら、親指の腹で私のわき上がる涙を拭って。

慧は私をギュッと再び腕の中に閉じ込めた。



背中に感じる慧の大きな手の温もりと、ワイシャツごしに伝わる慧の鼓動が速い。

私の速い鼓動も慧にはきっと伝わっているだろう。



「……ごめん、な。
不安にさせてごめん。
……今度こそ大事にするって言ったのに」

苦しそうな声で私の耳元で囁く慧に。


私は慌てる。

「慧は悪くないよ!
私が……」

言いかけて。

私はふと話すのを止めた。