彼と私の優先順位

慧は呆れているだろう。

ここで別れた日と同じようなことばかりを繰り返している私に。

いい加減に愛想が尽きたかもしれない。



だけど。

今ほど気持ちを伝えたいと思ったことはない。

たとえ受け入れてもらえなくても。

私はきっとこれから先もずっと慧が好きだ。



だから、もうこれ以上。

後悔はしたくない。




ギュッ、とトートバッグの持ち手を握る手に力をこめる。

外はこんなにも蒸し暑いのに、私の手はとても冷たくて。

こちらに向かってくる人影が目に入ると、肩が無意識にビクッと跳ねる。

その度に息をひそめる。


緊張で速まった鼓動をおさめようと目を閉じてみたら。

逆に鼓動が大きく聞こえてしまう。



門扉のすぐ近くの花壇にある時計台は八時半を示していた。

遊園地の最寄駅とは思えないくらい、周辺は人気がなく、とても静かで。

ホームからは距離があるにも関わらず、電車の発着音やアナウンスが風に乗って聞こえてくる。