彼と私の優先順位

「……成る程……。
こじれたわけね」

フウッとひと息ついて、亜衣が目の前のオレンジジュースをストローで一口飲む。



「……しかも今頃登場してきたわけね、幼なじみ……」

コクン、と私は頷いた。



「慧が言いたいこともわかるの。
心配をかけたくない、とか。
きちんと溝口さんには断ってるし、どうして責められるんだってこと。
でも、私は何でも話してほしかった。
色々なことを二人で話し合って考えていきたかった」



ひとつ隠されてしまうと、他にも隠されていることが、話してもらっていないことがあるのかと思ってしまう。

疑心暗鬼になってしまう。

「慧に言われたの。
私がそんな風な女と思ってなかったって……結局慧は私が好きなんじゃなくて、慧のやることなすことに意見しなくて、言うことに反論しない、従順な人が好きだっただけなんだよ。
慧は何も変わってないんだよ」

自嘲気味にそう言って私が薄く笑うと。



「それは違うんじゃない?」

亜衣が意外な程アッサリと言った。

「……え?」

「あくまで私個人の意見だけど。
慧はそんな風に結奈を見てきたわけじゃないと思うよ。
高校時代を一緒に過ごしてきたんだよ、しかも付き合っていたんだよ。
ほぼ毎日学校で会って話してたのよ?
結奈がたとえ自分を偽ってたとしても、それを見破れない程、慧は鈍感じゃない。
慧は結奈をずっと見てきたんだよ。
結奈のこと、きっと結奈よりもよくわかってるよ」