彼と私の優先順位

……もう少しで慧が提示した二ヶ月の期限がやってくる。

そんな期限はもう今、何の意味もないかもしれない。

それでもまだ彼女、であることにすがりたい自分がいた。



気持ちを伝える勇気もないのに。

慧の考えを受け入れることもできないくせに。

慧を好きな気持ちだけは捨てきれないなんて。

そんな意気地のない、どっち付かずの自分が嫌で仕方なかった。




慧とカフェで言い争ってから、一週間が経った日。

亜衣から連絡があって、私の部屋で会うことになった。



「久し振り、元気にしてた?
あ、これ。
この間実家に帰ったらリンゴ、いっぱいもらったからおすそ分け」

私とは対照的な、満面の笑顔でリンゴが入った袋を渡してくれる亜衣。

仕事帰りにもかかわらず、亜衣は輝いて見えた。



「あ、ありがとう……」

「……元気ないじゃない?
何かあった?」

目敏い亜衣には誤魔化しきれず。

「亜衣……私、どうしよう……」

泣きそうになった私の表情を見て。



「ちょ、ちょっと何っ。
とりあえず中に入れて、それから話を聞くから!」

焦って私を部屋に促した。