彼と私の優先順位

慧からの連絡に答える勇気もないまま。

自分への言い訳ばかりを連ねて逃げ続けた。

慧からのメールも確認せずに。




笠井さん曰く、慧の出張は三日間だそうで。

少なくとも三日は慧に会わなくてすむ、とホッとしていた。



それでも毎日の仕事を終え、帰宅し、ベッドに入る前に考えてしまうのはいつも慧のことで。

あの時の慧の言葉や表情が頭から離れずにいる。



高校生の時。

観覧車の中で別れを告げた時。

彼氏、彼女としての最後の会話。

私は私なりに別れに至った気持ちを、孤独感や辛かった気持ちを伝えたつもりだった。



だけど。

好きだからこそ不安だったこと、好きが膨らみすぎて、後回しにされてしまう自分の気持ちにもう耐えることができなかったことを伝えたつもりだった。

不安に負けて押し潰されてしまった私が、もう一度慧と付き合うことがやはり無理だったのかもしれない。



再会できて嬉しかった。

ずっと心の奥底に閉じ込めていた慧への想いを。

解き放てると思った。


時間が過ぎてお互いに大人になった今なら。

あの頃と同じ結末を辿らずにすむのではないかと思った。

そうであってほしいと願った。