彼と私の優先順位

そう告げると。

「ありがとうございます。
お願いできますか?」

明るい声が聞こえて。

私は受話器を戻して、受付に向かった。



紺色の襟つきのカッチリしたワンピースを着ている私とは対照的に。

淡いピンク色のカーディガンに白いフレアスカート姿の溝口さん。



「お忙しい時間にスミマセン。
これ、お願いします」

ニコニコと邪気の無い笑顔で茶封筒を差し出す溝口さん。

「お預りします……」

受け取る私に。

「紬木先輩、私より先輩なんですから、普通に話してくださっていいですよ?
ちょっとご説明したいことがあるんですけれど、少しよろしいですか?」



説明、と言われたので、てっきり受け取った書類のことだと思い、茶封筒に視線を落とすと。

「私、慧くんが好きです」

ハッキリとした溝口さんの声が響いた。



「……え?」

反射的に溝口さんを見ると。

先程までの可愛らしい笑顔ではなく、真剣な表情の溝口さんがいた。

真剣、というよりは何処か余裕すら感じさせるような表情だった。



「紬木先輩と慧くんが付き合っているのは知っています。
……二回目、ですよね?」

「どうして……?」