彼と私の優先順位

週明けは月末週で、朝からとても忙しかった。



朝一番に行われた支店全体の朝礼で千恵ちゃんに会った。

巴ちゃんが私達の支店が入っているビルに来るから、と食堂でお昼ご飯を一緒に食べようと誘われた。



巴ちゃんは渉外係なので、本部がある私達のビルに来ることが多い。

支店長の話を聞きながら私は小さく頷いた。



その後、いつも通りの仕事をこなしていた。

営業時間が始まる前に渉外係の殆どが外出してしまい、私の周囲はガランとしていた。

残っていた渉外係も来客があり、応接室へ行ってしまい、私は一人パソコンの入力作業をしつつ、電話番をしていた。



鳴り響く内線電話をとると。

「お疲れ様です。
不動産部の溝口です。
笠井さん、いらっしゃいますか?」

二階の無人になっている受付からだった。



溝口さんの声に。

私は何故か戸惑いを覚えつつ、ゆっくりと返事をした。



「……お疲れ様です。
紬木です。
申し訳ございません。
只今、笠井は外出しておりまして、戻りは午後になりますが……」

「紬木先輩?」



可愛らしい溝口さんの声が安心したように受話器から響いた。

「……そうですか、笠井さん、いらっしゃらないんですね。
契約書お持ちしたんですけど……ごめんなさい。
やっぱり一度ご連絡してから伺えば良かったですね」

「あの、私、確認はできませんが。
笠井さんが帰社したら渡しておきますよ?」