彼と私の優先順位

慧に再会して。

その思いは確信になった。

……きっと私は慧しか好きになれない。



でも。

ただ『好き』だけでは一緒にいられないことを。

あの時、散々思い知ったから。

今のままの私では、あの頃と同じ結果にしかならないから。



今度こそ、きちんと慧と向き合いたい。

あの頃と同じにはなりたくない。

失敗をしたくない。

二度と会えない、触れられないと思った慧が現れて。

私はもう一度神様からチャンスをもらった気がした。

……大事にしたい。

二ヶ月後、慧に告白できるように。




「結奈、何処か行きたいところある?」

慧が私に話しかけた。



「あ、えっと……」

考え込んでいた私は瞬時に反応できずに、口ごもる。

「どうかした?
もしかしてこの後、何か用事ある?」

私を気遣うように尋ねてくれる慧。



「ううん。
何もないよ!
ごめん、直ぐに行きたい場所が思い浮かばなくて」

「そっか。
良かった」

慧は嬉しそうな笑顔を浮かべる。



「え?
何で?」

「用事があるから帰る、って言われたらどうしようかと思ったから。
……一瞬、焦った」

そう言って慧は私から視線を逸らして頬杖をついた。



今のやり取りを。

今の会話を。

私は以前に聞いた気がした。



「……折角会えたのに、途中で帰られたら寂しいよな」

ポツリと呟く慧に。

今、まさに考えていた高校生の頃の自分が重なる。