ちらりと朝倉君を見る。 朝倉君はかっこいい黒縁眼鏡を机に置き、口元を優しく歪めてあたしを見た。 その笑顔にきゅんとして、やっぱり直視出来なくなる。 またまた下を向いたあたしに、 「つばさちゃん。 そんなに僕を避けないで」 朝倉君は甘い声で言う。 反則だよ、その顔にその声は。 それに、避けている訳ではない。 朝倉君を見ると、あたしが狂ってしまいそうなんだ。 朝倉君はなおも話を続ける。 「やっと二人になれた。 僕、ずっとつばさちゃんに言いたいことがあったんだ」 「……うん」