ダサ倉君に焦がれたい









バーベキューは意外と楽しかった。

朝倉君のことも気になったが、章司君が積極的に話しかけてくれて。

それで、朝倉君が一人になることはなかったと思う。

圭吾さんは女子二人と騒いでいて、それ以上朝倉君に絡もうとはしなかった。

あたしも朝倉君と章司君の話を聞く。

そしてとうとう、話題はsandに及んだ。







「圭吾さんはあんなに面倒な先輩だけど、俺はsandのファンなんだよ」




章司君は言う。

朝倉君はただ黙って頷いた。




「圭吾さんがいたからだけど、インディーズの頃からずっと好きで。

この人たち来るなって思ってた」






そうなんだ。

あたしももっと早くからsandを知りたかった。

人気が出てから好きになったなんて、いかにもにわかファンじゃん!