ダサ倉君に焦がれたい






「他の二人は、すばるの才能が面白くなかったんだよな。

すばるの曲はヒットを起こすし、今じゃ人気のフロントマンだから。

……まぁ、俺がすばるを呼んだのが一番悪いんだけど」






あたしは、やっぱり朝倉君のことを何も知らなかったんだ。

朝倉君は一人で悩んで戦っていたんだ。

プライベートでもsandでもうまくいかない朝倉君に、あたしは何が出来るんだろう。






「だからさ、つばさちゃん……」



再び口を開いた圭吾さんを、



「何言ってんの?」



あたしの大好きな声が遮った。

いつものおろおろした声ではなくて、SUのような凛とした声だ。




その声を聞くだけで、頰が緩んでしまう。

だけど……

朝倉君は全然頰が緩んでいなかった。