ダサ倉君に焦がれたい






「圭吾さんは、朝倉君と仲がいいんですね」




照れ隠しにそう聞くと、彼はまた楽しそうに笑う。

その天真爛漫な笑顔がきゅっと胸にくる。

きっと、圭吾さんのファンも多いんだろう。





「ま、仲間だからな。

すばるは苦労してるから、俺が支えてやらねぇと」




そんな圭吾さんの言葉に聴き入ってしまう。

そして、すばると呼んだことが嬉しくて、にやけてしまった。





「あいつ、見るからに不器用だろ。

当然sandでもうまくやっていけなくてな。

……つーか、俺たち三人でやっていたバンドに、後からすばるが入ってきて。

他の二人とぎくしゃくしてるから」





そうなんだ。

そんなこと知らなかった。

sandはみんな楽しそうに話しているから、てっきり仲良しかと思っていた。





朝倉君はプライベートだけじゃなく、sandでもうまくやっていないんだ。

その事実に胸が痛い。