思わず笑ってしまったあたしに、
「つばさちゃんって顔に出やすいタイプだな」
KEI改め圭吾さんは言う。
真っ赤になったあたしを見て、圭吾さんは楽しそうに笑っていた。
そんなあたしに、
「つばさは、圭吾さんがいてびっくりしなかったの?」
なんて章司君が聞くから、慌ててびっくりしたと答えた。
正直、それどころじゃなかった。
あたしは、朝倉君が気になって仕方がなかったんだ。
朝倉君のことばかり考えるあたしだけど、朝倉君はやっぱり無言で。
そして、女子二人は朝倉君とは関わりたくなさそうで。
章司君が無理矢理朝倉君に話しかけたりしていた。
それでも、朝倉君は話したくないオーラ満載で。
「野菜切りますから」
なんて言って、包丁と野菜だけ持って消えてしまった。



