そのヘンテコ眼鏡で、どんな表情をしているかなんて分からない。
何だか居心地の悪いあたしはこの場を去ろうとするが……
「朝倉君もよろしくね」
章司君は強かった。
変わり者の朝倉君をものともせず、笑顔で手を差し出す。
そして……二人で握手を交わしていた。
そんな様子を見て思った。
朝倉君はSUだ。
SUと握手出来るなんて、章司君はとても贅沢者なんだ。
「そうそう、つばさも朝倉君も。
今週末、他学部にいる友達と先輩とバーベキューするんだ。
二人も良かったらどう?」
そのお誘いはすごく嬉しい。
朝倉君と一緒にバーベキューに行けるなんて!
ようやく大学生らしいことが出来るんだ。
そう思ったのだが……
多忙な朝倉君が行けるはずがない。
あたし一人で参加するのも気が引ける。



