「ねぇ、三谷さん。

これからつばさって呼んでいい?」




章司君の言葉に頷く。




やっぱり嬉しかった。

初めて名前で呼んでくれる友達を見つけて。

友達……

朝倉君も友達だよね。

でも、朝倉君は友達なんて呼びたくない。

それに、朝倉君だって……





また昨日の出来事を思い出した時……






「三谷さん」




あたしの大好きな声で呼び止められた。

その声を聞くと胸がどくんと言う。

それと同時に、章司君といるところを見られたくないなんて思ってしまう。





朝倉君に誤解されたらどうしよう。

あたしには、朝倉君しかいないのに。