繋いだ手がきゅんきゅん……なんてしなかった。
あたしの頭の中は、やっぱり朝倉君のことでいっぱいだったから。
こんなところを朝倉君に見られたくないと思ってしまう。
章司君には申し訳ないけど。
でも、章司君の行動はすごく嬉しかった。
「次は章司君が笑い者にされるかもしれないのに……」
思わず口走ったあたしを見て、
「大丈夫だよ」
章司君は言う。
やっぱり爽やかで裏なんてなさそうで。
「三谷さんがいるから、俺は大丈夫。
三谷さんを見て、本当にかっこいいと思ったんだ」
その言葉に泣きそうになった。
みんなからは興味の目で見られるようになってしまったけど、章司君みたいに分かってくれる人もいる。
それがすごく嬉しい。
