章司君とそんな話をしている間にも、
「三谷さん、塚原君と話してるよ」
なんて噂話が聞こえてくる。
この人たちは大学生になってまで、くだらないいじめ紛いのことをしているのだろうか。
本当に関わりたくない人たちだ。
聞こえないふりをするが……
「なんで三谷さんと俺が話しちゃいけないの?」
章司君は堂々と女子たちに告げる。
こんな章司君がかっこいいとさえ思った。
それに……
あたしは一人じゃない。
朝倉君もいるし、章司君だっているんだから!
章司君はクラスを睨んで言う。
「みんな、かっこ悪いよね。
俺は、三谷さんのほうがずっとかっこいいと思う」
そう言っておもむろにあたしの手を引き、
「行こっ、三谷さん!」
そう告げた。



