「でっ……でも、あたし大丈夫だよ」



慌てて彼の好意を断ったが、



「気にしないで。

前は三谷さんが朝倉君に教科書見せてあげてたじゃん」



彼は爽やかな笑顔で言う。

そんな彼の言葉を聞いて嬉しくなった。

だって、ダサ倉じゃなかったから。

彼はちゃんと、朝倉君と言ったから。





「俺は塚原章司。

章司って呼んでくれたらいいから」




その人の良さそうな笑顔を見て、ホッとしたんだ。





章司君は他の人たちみたいに朝倉君を笑ったりしない。

きっと、すごくいい人だよ。